長野県の上田市、飯田市、松本市、岡谷市、駒ヶ根市周辺などで生産されている絹織物の総称です。糸は自生する植物染料で染め、柄は縞や格子が中心です。

現在の長野県にあたる信州は、古くから養蚕が盛んな土地で蚕の国とも呼ばれており、信州紬の起源は、奈良時代に織られていた「あしぎぬ」といわれています。

江戸時代には、信州に存在していた上田藩や飯田藩、松代藩などの政策により、養蚕が奨励され、信州全域が紬の織物産地として栄えていきました。1748年頃に紬を京都に出荷しており、以後、明治に至るまで毎年のように出荷されていたといわれています。

その後、紬織物の生産は減少していき、昭和中頃までは技術保存の名目でわずかに続けられていただけだったそうです。第二次世界大戦後、県や市町村の振興策により、再び県下全域で活発な生産が行われるようになり、高級な反物として、信州紬の名声が高まっていきました。

現在、産地ごとに豊かな個性があり、主なものは以下です。

■上田紬(うえだつむぎ)
縞や格子柄を基調としています。

■松本紬(まつもとつむぎ)
天蚕糸で織られたものもあり、それは山繭紬といわれています。

■飯田紬(いいだつむぎ)
素朴な手織りの紬です。

■伊那紬(いなつむぎ)
昔ながらの伝統を色濃く残しています。