新潟県南魚沼市に古くから伝わる平織の麻織物です。麻織物の最上級品として有名です。柄は絣や縞が主で、ごく薄手でシャリ感のある地風が特徴です。

技法のひとつに「雪晒し」という越後上布独特のものがあり、色目が落ち着き、白はより白くなる効果があります。越後上布の古来からの技法は、国の重要無形文化財に指定されています。

現在の新潟県にあたる越後国の麻織物の歴史は古く、縄文時代から麻織物が織られていたといわれています。平安時代の三代格式の一つである延喜式の中に、朝廷に越後の布を納めていたことが分かる記録が残っているそうです。

奈良の正倉院には「越布」として今も保存されています。また、鎌倉時代に成立した日本の歴史書である吾妻鏡にも、朝廷に納めていた記録が残っているそうです。

木綿が普及する前の鎌倉時代から室町時代にかけては、庶民の衣服は麻織物でした。室町時代には、上杉氏の産業奨励策により、越後上布の生産は一段と盛んになったといわれています。

江戸時代に木綿が大衆化すると、全国的な麻織物の需要は減退しましたが、越後上布の評判はとてもよく、天明年間(1781年~1788年)には、年間20万反以上生産されていたといわれています。

現在、原料の苧麻の生産量は極めて少なく、麻着尺地の生産もわずかで、後継者不足の問題も深刻です。