沖縄県に自生している糸芭蕉の繊維から採った糸で織った布です。布地は軽く張りがあり、通気性がよいので、夏の着物に最適な織物です。

古くから織られてきた織物で、諸説ありますが、13世紀頃にはすでに織られていたといわれています。1546年の書物には、芭蕉布の記述が残されているそうです。

琉球王国が管理する大規模な芭蕉園で芭蕉が生産されており、奄美大島から与那国島まで至るところで織られ、海外にも輸出されていたといわれています。江戸時代には、日本本土にも芭蕉布が流通していました。

首里芭蕉布や今帰仁芭蕉布など、それぞれ特徴のある芭蕉布が織られていましたが、昭和時代に入ると、特に、喜如嘉の芭蕉布は品質・生産量ともに著しく向上し、村の品評会では喜如嘉のものは他のものとは分けて審査されるほどだったそうです。

当時の喜如嘉区長である平良真次は、生産者に利益を還元するべく販路の拡大に奔走していたといわれています。

第二次世界大戦後、平良真次の娘である敏子は、ほとんど織られなくなっていた芭蕉布を苦労の末再興し、産業として軌道に乗せました。

現在、「芭蕉布の里」として知られる大宜味村喜如嘉を中心に生産されており、技術の保存や後継者の育成などの活動が行われています。