愛知県名古屋市の有松、鳴海地区を中心に生産されている絞り染めの総称です。

1610年~1614年にかけて行われた名古屋城築城の手伝いを、現在の大分県にあたる豊後の大名が命ぜられた時に、豊後から連れてきた人によって絞の技法が伝えられ、竹田庄九郎という人が木綿に絞り染めを施した手ぬぐいを作り、東海道を往来する旅人へお土産として売り出したのが始まりといわれています。(諸説あります。)

その後、現在の愛知県にあたる尾張藩の保護のもと、絞独特の上品で多種多様な技法が考案・開発されました。

有松・鳴海絞の特徴は、その技法の多さにあります。雪花絞、鹿の子絞、巻き上げ絞、蜘蛛入り柳絞、三浦絞、嵐絞、桶絞、筋絞、板締め絞、縫絞など100種類以上といわれています。

豊富な技法と手縫いの技で多彩な文様が表現されています。同じ柄でも絞る人の力加減で柄が微妙に違ってくるのも魅力の一つで、手づくりならではの味わいを生み出しています。

現在、後継者不足や生産量の減少などにより、かつて100種類以上といわれていた技法が減ってきています。

有松・鳴海絞の振興のための取り組みが行われており、2008年にはフランスで「第七回国際絞り会議」が行われ、有松鳴海は絞りのメッカとも言われるようになり、海外から多くのアーティストやデザイナーなど研修に訪れています。

かつては木綿の絞りが有名でしたが、近年は木綿だけでなく、正絹の振袖や訪問着、着尺からインテリア等まで、幅広い製品が作られています。